平屋に住みて~ 漫画「ひらやすみ」著:真造圭伍 レビュー

大好きな漫画家、真造圭伍の最新刊を購入したので紹介したい。

ー週刊スピリッツ公式HPより

物語のあらすじ

主人公は生田ヒロト、29歳、フリーター。東京の阿佐ヶ谷に住んでいる。

彼は、仲良くなった近所のおばあちゃんから一戸建ての平屋を譲り受けることに。

そして、大学入学を機に上京してきた18歳のいとこ・なつみちゃんと二人暮らしを始めました。

不安や生きづらさもきっと癒やしに変わる、平屋暮らし、スタートです。・・・というストーリー。

真造ワールド全開!

登場する人物はマイペースな主人公、元気な年下の女の子、ちょっと抜けてる年上のお姉さん、少しダメな親友といった感じであり、まさに”真造ワールド全開!”といったところだ。

真造作品は闇の深い描写の作品も多いが、今回はその成分が薄めであり、読んでいて気持ちが良い。

平屋っていいなぁ

物語は主人公が譲り受けた「平屋」を中心に話が進んでいく。1、2巻の表紙にも平屋にいる主人公たちが描かれている。

この漫画の見どころは、平屋での主人公たちの何気ない日常だと思う。

自分が特に好きなのは、縁側で親友と焼肉をする場面である。

夜風に当たって、星空を見ながら焼肉とか最高に贅沢だよな。

親友はポツリと言う。「いーなぁ、縁側のある家」

俺も縁側のある平屋に住みたい!

ーひらやすみ 1巻より

今、忙しい人、悩んでいる人に読んでほしい漫画

主人公は近所のつり堀屋でバイトしており、残業などとは無縁の生活だ。

今の生活を楽しんでおり、いつも幸せそうである。

逆に、大学生のなつみは大学生活になかなかなじめず、いつもくよくよと悩んでいる。

なつみは主人公に問いかける。「ヒロ兄って悩みとかないの?」と。

主人公は答える。「ないなぁ悩み。くよくよ考えたってしょうがないじゃん」と。

主人公がこのようにおおらかな性格であるのは、”理由”があるのだが、ネタバレになるので割愛する。

この漫画は、”余裕のある暮らしが何よりも大事”ということを教えてくれる。

自分も昔ブラックな職場にいたことがあり、現在は比較的安定した職場にいるので、このことは身に染みて分かる。忙しいのは嫌なんだよな。日々の余裕が無くなるから。

ーひらやすみ 1巻より

親友っていいなぁ

主人公とその友人ヒデキとの話「サマーフィルムにのっかちゃって」が個人的に一番好きだ。

友人のヒデキは結婚しており、近々子供も生まれるが、主人公の家をよく訪れ、一緒にご飯を食べたり、家に泊まったり、花火をしたりして遊んでいる。

主人公とは高校からの友人であり、高校の時から主人公と一緒にバカばかりしている。

この日も奥さんと喧嘩をし、主人公の家へ遊びに行った。

家から帰る車の中で、主人公との思い出に浸り、ヒデキは叫ぶ。

「お前のせいなんだぜ…お前といる時が、めちゃくちゃ楽しーんだよ!」と。

このシーンを読んでいて不覚にも涙が出てしまった。

結婚しても、遊んでくれる親友って貴重だよなぁ。

ーひらやすみ 2巻より

余談

舞台が阿佐ヶ谷ということで、漫画に付いていた帯には「阿佐ヶ谷姉妹、大推薦」と書かれていた。

しかも、真造圭伍の阿佐ヶ谷姉妹イラスト付きで(笑)

たしかに、阿佐ヶ谷姉妹のネタが好きな人はこの漫画もなんか好きそうである(実際、俺は阿佐ヶ谷姉妹の”細かすぎてわからないモノマネ”が大好きだ)。

めっちゃ似てて草

ひらやすみは現在1、2巻が発売中であり、第3巻は4月下旬に発売予定である。

真造ワールド全開の、ほのぼのとした日常に目が離せない。

そんで俺は将来、平屋に住みたいと思うのでした。

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