【つれづれ映画びより】大学生モラトリアム映画の金字塔!「ネムルバカ」 感想

石黒正数の漫画「ネムルバカ」が実写映画化したので見に行った。
公開日は2025年3月20日だが、我が山陰地方では4月11日公開だったので、ようやく見に行くことが出来た。
公開中の映画なので、ネタバレを控えつつ紹介したい。

ネムルバカとは

「ネムルバカ」は、それでも町は廻っている等で有名な石黒正数による漫画作品。
「月刊COMICリュウ」に2006年11月号から2008年3月号まで不定期連載され、2008年に単行本が刊行された。

バンド活動のせいで常に金欠状態の鯨井ルカと大学の後輩で女子寮で同室の入巣柚実の友情と別れを軸とした、大学生活の日常と青春の日々が描かれる。

ネムルバカの魅力

ネムルバカの魅力は、大学時代の「モラトリアム」を上手いこと表現しているところだと思う。
モラトリアムとは、思考停止とか猶予期間というような意味があり、そんなアイデンティティを見つけるための期間に、主人公含む大学生たちが思い悩む様がリアルに描かれている。
大学生たちの「自分探し」や「夢への不安」が真正面から描かれており、夢を追いかけている人にとっては深く刺さる作品である。
また、30代のサラリーマンになった自分のような人間にとっては、なんだか懐かしい感情になれる作品でもある。

実写映画を見て

アニメや漫画の実写映画化というと、微妙な出来になってしまうのが通例であるが、この「ネムルバカ」はそうではなかった。
原作の気だるげな雰囲気、モラトリアム期間を上手く表現し、学生時代の青春ってヤツが詰まった、良い映画に仕上がっていた。
主人公たちの青臭さが、観ていて気恥ずかしくもあり、少し懐かしくもあった。

原作より良かった点

原作の漫画より良かった点は、脇役の演技が素晴らしかったことである。

まず、古本屋の店員仲崎を演じたロングコートダディ兎。
原作の仲崎のウザさを、とても良い具合に引き出せていた。

それ以上に良かったのが、鯨井ルカが所属するバンド「ピートモス」のメンバーである。
ギターのジャガー・モリィ役を儀間陽柄(the dadadadys)が、ベースの岩徹役を長谷川大が、ドラムのDAN役を高尾悠希が、それぞれ好演している。
原作ではほとんど出番が無く、セリフも無かった彼らだが、映画ではボーカルの鯨井ルカといい感じにつるんでいて楽しかった。
ライブ本番前の楽屋でのシーンの、ダラダラした会話が個人的にお気に入りだ。
また、クライマックスでの彼らの姿に、目頭が熱くなった方も多いのではないだろうか。
夢は、自分が諦めなければ、いつだって追い続けることが出来る。そう感じた。

久々に良い邦画を見た。
この映画を映画館で見れて良かった。

映画パンフレットと特典
帰りにギターのミニチュア(ジョジョ仕様)を買う。…最高

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA