【つれづれ漫画語り】ヤニねこ

ヤングマガジン公式サイトより

自分の中での、”次にくるマンガ大賞”は、この『ヤニねこ』である。
タバコ大好きな獣人、ヤニねこちゃんのほのぼの日常マンガだ。

なお、最新刊については、こちらの別ブログでも紹介している。

作品概要・登場人物

作品概要

この物語はねこがただヤニ吸うだけの話ニャ。
過度な期待はすんなニャ。でも読むニャ。

ヤングマガジン公式サイトより

本作品は2022年11月からTwitterにて投稿・連載されており、主に1〜2ページの短編漫画となっている。
複数の作者によって制作が行われており、週刊ヤングマガジン2023年12号から2023年14号まで短期集中連載、2023年18号より通常連載される際には「にゃんにゃんファクトリー」という作者名となっている。
作者について調べたところ、荒井小豆氏やみき郎氏が主に作画されているようだ。

人間以外に「獣人」が存在する世界の日本某所「にゃがみ原市」の安アパートを舞台に、見た目は猫耳美女、中身はほぼおっさんの主人公・ヤニねこの、自堕落でやさぐれた日常と、アパートの住人たちの生活ぶりが描かれる。

登場人物

YouTubeより

・ヤニねこ
年齢は21歳。本名は佐藤ヤニ子。一人称は「ニャー」。
見た目こそスタイル抜群の獣人美女だが、かなりのヤニカスであり、部屋には灰皿がわりのワンカップが転がっている。銘柄はメビウスオリジナル10ミリ。
日雇いバイトをしている描写があるが、基本的にはあまり(タバコ代で)金銭的余裕はないらしく、水道代などを滞納しては風呂にも入れず屋外で用便するなど、ぐだぐだな生活を送っている。

・ヤクねこ
ヤニねこの後輩のチンピラっぽい獣人女性で、アパートの隣の部屋に住んでいる。
本名は益子(やくこ)。20歳。
明らかにタバコ以外の紙巻きの何かを吸っていたりと、「ヤク」の名前の通りのものを常用している様子がある。
前科持ちでそれが原因でバイトをクビになったり、特定の数字に過剰反応する症状にも苦しんでおり、根深いメンヘラの気もある。中毒や禁断症状の時以外は新しいバイトに励んだり、面倒見の良さや気遣いを欠かさないなど根は真面目な性格である。
生き物が好きでとくにクワガタが好きらしい。

・ハメねこ
ヤニねこの友人で同じアパートの住人。
耳に複数個ピアスをつけ、片目を隠した髪型のサブカルっぽい雰囲気の獣人女性で貧乳。本名はハメ子。
動画投稿者で、ゲーム実況や身辺レポなどを流している。
あとよく失禁する。

・カンサイねこ
ヤニねこの友人で同じアパートの住人。ロングヘアの綺麗系な容姿で、美声の関西弁を話す獣人女性。単に「カンサイ」とも呼ばれる。
本名は西薫子(にしかおるこ)。弟が一人いる。
服装やメイクがアパートで一番お洒落。
関西人ゆえか笑いに敏感であるが、独自ギャグを強引に連発しては残念なセンスで場を白けさせる悪癖がある。
アパートの獣人たちの中ではそれなりに学のある常識人で、世間一般並のつきあいもあるらしい。喫煙者でピアニッシモを吸っている。

・アルねこ
ヤニねこの友人で同じアパートの住人。24歳。本名はアル子。
毛量が非常に多い、眠たげな顔つきの獣人女性で一人称は『ぼく』。
小学生と間違われるほどの小柄で童顔ながら、実は着痩せするタイプで巨乳。
大学3年生だが学業はほぼサボって過ごしているらしい。
酒を飲んでは寝て暮らす典型的アル中で常に手が震えており、酒が切れて震えが高じると地震並の振動でアパート全体が震えるほど。
大学の健康診断では、その極悪な数値・症状から「卒業までに死ぬよ」と警告されている。

・大家さん
ヤニねこの住むアパートの大家。
人間の中年男性でスキンヘッドにごつい体格の強面。
問題行動を繰り返すヤニねこのことを厄介がっているが、無防備な彼女にある特別な想いを抱いている様子である。
獣人たちのせいでしょっちゅうひどい目に遭っている作中一の苦労人。
大家としての仕事ぶりは勤勉で、非常識な住人の獣人たちに対してもなんだかんだと面倒見はよい。

・アパートの漫画家
ヤニねこがアシスタントをすることがある漫画家。眼鏡をかけたそばかすのある女性で、ペンネームは「おちんぽ達郎」(なぜこんなのにした…)。喫煙者でかつ人見知りであるため、タバコが平気でかつ話しやすいヤニねこがアシスタントしてくれることに感謝している。『週刊ニャングマガジン』なる雑誌に漫画を掲載しているようだ。

試し読み

下記リンクより、1~3話及び最新話を無料で読むことができる。
ぜひ読むニャ。

本作品の魅力

家賃も滞納し風呂も入らずゴミ出しもまともにせず、食費よりタバコ代を優先し、それでも足りなくて日々シケモクを物色する「ヤニねこ」のほのぼのとした日常を描いた作品である。
ヤニねこがタバコを吸うだけでなく、ゲロやウンコ、おしっこというシモネタがあれよあれよとよく出てくるので、正直人を選ぶ作品であるのは間違いない。
しかし、話が進むほど獣人や人間などいろんなキャラクターが出てきて、ストーリーやキャラクターの深みが増していき、ページを読み進む手が止まらないのである。
自分が個人的に好きだなと思ったキャラクターは「ヤクねこ」である。
真面目な彼女がなぜ前科持ちとなったのか、時折酒や薬に溺れて涙する理由などもっとヤクねこを深堀りしてほしい。漫画で描ける範囲で。
また、「ヤクの夏休みにゃ」の回で、ヤクねこがみんなにクワガタ捕りに行こうと提案するが全員に断られ、寂しそうに佇むシーンはなんか凄く良い場面だと思った。

大阪の下町のような、めぞん一刻のような、「お金はないけど、たくましく楽しく生きている感じ」な雰囲気がこの漫画の魅力なのかな…

ヤクねこが寂しげに佇む名シーン(ヤンマガWebより)
麦わら帽子と虫かごと、寂しそうなヤクねこが絶妙にマッチしている

ヤニねこは、現在①~③巻が絶賛発売中である。
単行本には、超豪華ゲスト&おまけ漫画が多数掲載されている。
これは買わなきゃ損だね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA