講談社コミックプラスより
今日はKADOKAWAで連載されていた「茄子」について紹介する。
作者は黒田硫黄先生だ。
茄子(なす)とは黒田硫黄の漫画作品である。
講談社『月刊アフタヌーン』2000年11月号から2002年10月号にかけて連載された。単行本全3巻。
内容は、茄子を共通の話題とするオムニバス短編集である。
田舎や都会を舞台とする現代劇から、ヨーロッパの自転車レース、近未来SF、時代劇と幅広いジャンルを扱う。第1巻に収録されている「アンダルシアの夏」は高坂希太郎監督によってアニメ映画化され、2003年夏に『茄子 アンダルシアの夏』として発表、カンヌ映画祭監督週間にも出品された。また続編として第3巻に収録されている「スーツケースの渡り鳥」が『茄子 スーツケースの渡り鳥』として同監督によって2007年秋にOVA化されている。2009年には、「新装版 上下巻」が発売された。
テーマは野菜の「茄子」である。
老若男女、国籍を問わず繰り返される人のいとなみが「茄子」を中心に描かれる。
家族、恋愛、友情、勉強、仕事…なにげない日常のなかの人間関係を、ナスのある風景を交えて描いたヒューマンドラマだ。
本作の魅力は、下記ブログでも紹介しているように
全編から漂っている「気だるさ」だと思う。
世捨て人・落伍者、そんな人ばかりが登場し、
日常に起こったちょっとした出来事が核になっている漫画である。
そしてそんな気だるい人々が語るセリフが、本作の魅力の1つでもある。
例えば、
・「野良の合間に本読みしてえんだよ、ほっといてくれ世の中の皆さん」
・「僕も君も、1人で食って1人で寝るんだな」
「そうよ、ずっと。私が20であなたが25のときから」
・「私さぁ、レンアイとかケッコンとかコドモうむとか、
なんかそーゆうこと
ぜんぶしないで生きてこうと思う
決めた」
「人並みのことってできないといけないのかなあ
僕もレンアイとかケッコンとかやめよう
なんかいらない気がする」
・「なるほどロマンチストとは 自分以外はばかだと思ってる奴か」
・「20年で たんすが作れるくらいになるのかしら」
「30年まてば 桐の棺桶にちょうどいいかもな」
黒田硫黄先生は、私の大好きな漫画家の1人である。
その理由は、筆ペンによる圧倒的な描写であったり、茄子というテーマからこれほどの名作を生み出せる創作力であると考える。
最後に、そんな黒田硫黄先生の作品を紹介したい。
■黒田硫黄作品